努力できる奴が一番強い(スピンオフ風)

話は変わって。

『努力できる奴が一番強い』

 

この事に気づいたのは、中学生の時だったかな。

ピアノのコンクールに出た時です。

私は周囲から言われるがままに出場する事になったけれど、そこに自分の意志は一つもないため、いつも通り練習もせず、かなりふざけた状態での出場でした。

才能あるらしいし。つってね。

でもね、他の出場者は全然違ってた。

当たり前だけど。

熱意が違う。

弾き込んできたかどうかなんてそんなもん聴けばすぐわかるし、熱量は音に乗り、そういう人には覇気がある。

才能がある、ある、って散々言われても何の努力もしない人間と、

才能があろうがなかろうが、練習や努力をコツコツ積んできた人間と。

その差は一目瞭然でした。

その時はじめて、こんなに努力を積み上げてる人がいるのか、って。

あぁこの人らには全然勝てないな、って。

私にはピアノに懸ける熱がそこまで無いからな、って。

何の努力もしてないから挫折ってのとは違うけど、やっぱりそういう『努力を積み上げることが出来る人こそが勝つ』という事には、その時気づきました。

 

そっから100億年が経ちまして。

なんだろう。

美容師になったのがターニングポイントだと思う。

たかが美容師なのに。

私には凄く遠い道でした。

ある意味、誰でもなれる職業のはずなのに。

練習嫌い、コツコツ努力を積み上げることが出来ない私にとっては、苦行でしかない道。

私はオシャレ番長と呼ばれていたしセンスあるし(笑)

そういった意味でもお客さんに対しては説得力もあるから、スタイリストデビューさえすれば、一気に上に駆け上れる事は自分でも確信してたし、それは先輩らからも言われてた。

「正直、脅威だ」って言われたこともあったので。

でも全然その先輩の脅威にはならなかった。

私は同じ土俵に上がることができなかったので。

 

私には『練習を重ねる』という、たったそれだけのことがどうしても出来なかった。

 

思い描くビジョンが完全過ぎて、まだそこに至れていない現状との差に耐えられなかった。

なんで私がこんな所で躓いてるのか、という事が許せなくて。(まぁただの練習不足なんですけど。)

そしてまた更に、練習が嫌になる。

『出来ない今の自分』と向き合う事が嫌になって更に練習を避ける、逃げる。

アシスタントなのに練習せずに先輩より先に普通に帰る。

 

その間、全然オシャレでもなければセンスがあるわけでもない普通の人らが毎日コツコツ練習を積み上げて私をどんどん追い越していった。

多分、見下してたんだと思う。

周りの人たちのことを。

そんな人たちにどんどん追い越されていってね。

それが激しく屈辱だった。

 

お山の大将あがりのハリボテの私なんかよりも、彼らの方がずっと立派だった。

 

自分で「やりたい」と思って選んだ道なのに、練習や努力することができない。

これまでずっと、

何をやっても簡単に出来てたのに、

何をやっても適当に一番が取れてたのに。

切り方が理解できない。

パネルを引き出す角度の理由が理解できない。

どうしてそうしなきゃならないのかがわからない。

ルールの原理がわからない。

私こんな所でつっかかるような人間じゃないはずなのに。

どうして。 って。

 

出来ない自分 を人に見られるのが嫌だ。

出来ない自分 を自分で目の当たりにしなければならない事が耐えられない。

 

もう自分をコントロールできなくて。

自分が保てなくなった。

だから一度そっから離れたんです。

 

この時が、初めての挫折かな。

小さい頃から散々褒められてチヤホヤされて積み上がってしまった私の中にある何の役にも立たないそれ。

それに、私は負けたんです。

 

もっと他に自分に合うものがあるんじゃないか?って。

それを探そうと思って。

 

でも、何をするにしても、努力を積み重ねる必要があるって事に結局戻り着いて。

 

で、『最後のチャンスをください』と、シショーに頭下げて。

そっからも時間はかかったしかなり苦労したけど、でも今度は逃げなかった。

教える人のせいにして逃げたり店を変えてみたりしてたのを全部知ってる相手に対して『これで最後』と言っちゃったんでね。

それは、自分自身に対しても、です。

まぁ案の定、デビューできてからは好成績で。

でもそしたらなんかもう、自分が満足しちゃって。

『私にも努力を積み上げていく事ができるんだ!』

って思えた事が、そこでの最大の収穫だったと思います。

 

自分の中で、この業界(業種)はいつでも帰れる場所 という確信を得たので。

だから新しいことにチャレンジしてみたくなって、現在の占いの世界に至ってます。

 

話はだいぶ飛んだけど、あれです。

『なぜ、インベンションを弾いているか。』

実は、こういう話をしている最中です(笑)

 

まだ下手くそな状態のものを敢えて人の目に触れるような場所に載せるのは、

自分の中にまだ残っているであろう『格好つけたい自分』を壊したいからです。

小さい頃から散々褒められてチヤホヤされて積み上がってしまった私の中にあるそれが何の役にも立たない事を実感したいからです。

 

でもまぁどうだろう。

そんな情けない姿を晒して「私も上手じゃないけど好きな事頑張って表現してみよっかな」とか思う人が居たらいいな、とかも、どこかで思ってるかもしれない。

意外とサービス精神のある人間なようなので(笑)

でもまぁそこはちょっとわからないな。

 

でもね、人を妬んだり羨んだりしてても、何にもならない。

 

それが羨ましいなら、自分で取りに行くしかないよね。

自分にしかないそれを。

 

私も数か月前まで占星術やってる人たちに対して

ぐやじぃ・・・涙

と思ったりしてましたよ(笑)

勉強してみても全くパッパカパーだし。

あの人ら全員天才かよ!って。

 

でも、それらは才能とかじゃないって事がわかった。

あの人たちは別に天才なんじゃなく、努力する事をやめなかった人たちだって事がわかった。

だから私もまた挑戦しよう!って思って。

 

それにそれらが最初から完璧なわけじゃない。

最初は皆できないし下手くそで当然だから。

だからやっぱり、

周りの人を見て悔しく思う日があったとしても、

周りの人と比べてしまって自分なんてダメだ…と思う日があったとしても、

それでも諦めずに、コツコツ努力を積み上げていけば、

世界の一位になれないとしても、

自分の事は好きになれるよな、って。

私はそう思ってます。

 

 

あ、そうそう。最後に(笑)

そしてなぜインベンションとシンフォニアなのか。

子どもの頃、コンクール出た時、

モーツァルトソナタとインベンション8番とシンフォニア1番を弾かされたわけです。

先生が勝手に決めたやつ。

 

でもね、私は違うんだよ。

 

私は、

インベンション5番 と

シンフォニア3番 が好きなの(笑)

 

努力する という事ができるようになった今。

ちょっと、過去やり残したことを回収しに行こうかな、と。

今度は人が選んだ曲ではなく、自分でやりたいと思う曲で。

 

だからといって別に、今更コンクール目指すとかはないですけどね。

だから頑張って毎日練習した所で、何にもならないんですけどね。

 

すべては

『自分の心の為に』

ですかね◎