毒親と鬱と社会不適合者の話③(地獄の再来)
【地獄の再来】
『自分の心を何よりも大切にして生きる』事の出来た『高校生の時代』が天国すぎた私には『大人社会』という世界が、地獄の再来の他なりませんでした。
どうやら『大人の社会』では、自分の気持ちを閉じ込める事が正しい事とされていたわけです。
何故だか私には全く理由のわからない「偉い人」や「上の人」とされる人に対して「私が思ってもいない事(世間ではお世辞と言うモノ)」を言う事を強要されたり、
ちゃんと定時までにキッチリ仕事を終わらせたのに、誰々が帰るまでは帰っちゃダメという謎のルールを強要されたり。
早くおうちに帰って自分の好きな事をしたいのに「飲み会」という全く行きたくもない謎の「飲み会も仕事のうち」というモノを強要されたり。
嫌な事を嫌だと言うと、納得できない事を納得できないと言うと、とにかく嫌われました。
「自分の心を表に出す事は社会ではいけない事」と言われている様な気持ちでした。
「そんなんじゃ、どこ行ったってやっていけないよ」
あぁ。私こんなんだから、どこに行ってもやってけないんだ。
仕事を転々とし、時には「社会不適合者」と呼ばれるような「とっても素敵にやさぐれた人たち」の集る場所に身を置いて安心してみたり。
それでも「生きていくという事は、やっぱり社会の中でどうにかしていかなきゃならないんだ!」と思い直して、また挑戦して圧し折られて傷ついて潰れる・・・
「私には社会って無理なのかな」
そう思いながらも、大人になったら身の置き場は「社会」か「脱落」かの二択だとその時は思っていたので、とにかく必死にもがいていました。
(社会から離れる事が決して良くない事だと今は全く思っていませんが、当時の私は「してはならない事」だと思い込んでいたのです。)
この頃から、自分の体の中、よくわからないのですが感覚的には心臓あたりの場所に正方形の箱が現れるようになりました。
そこに”私”が閉じ込められて、”私”ではない私が人と話すのを、正方形の箱の様なモノに閉じ込められた”私”が「そんな事、”私”は全然思ってない!!」と箱の中から声にならない声で叫ぶ、という現象が起きるようになりました。
(この話については、いつか別の機会に詳しく書こうと思います。)
とある職場に勤めている時の事。
職場内でのイジメの様なモノを見ているのが、身体として限界になった事がありました。
そしてある日の朝、仕事へ向かう事が出来なくなりました。
「行かなきゃ」と思えば思うほど、吐き気が止まらなくなり足が全く動かなかったのです。
足が動かないのでベッドから起き上がってもそこから部屋を歩く事すら出来ず、取り敢えず職場へ連絡を入れました。
「足が動かないので行きたいのに行けないんです」
どう伝えれば良いかわからなかった私はありのままに伝えたのですが「そんな事あるわけない!早く来い!」と。
ものすっごく怒られました。
そんな事があるわけないと思ったって、そんな事があっちゃってるから電話で正直に話したのに、早く行きたくったって動けないのにどうすればいいの!?
でも確かに、出勤とされる人が来なくなるって事は穴を開ける事になるからこれは社会で許される事ではないからどうにかしてでも行かなきゃ!でも足が本当にどうしても動かないんだよなんでだよ!!!!!!
その職場はその日で辞めました。
”辞めた”のではなく、雇い主からしても「こっちからクビだ!」の気持ちだったと思います。
わざとじゃないのに。
私だってどうにかしたかったのに。
私は色々調べた末に、メンタルクリニックへ行きました。
そこでは、子供の頃の事、家族の事、今までの時間の事など、長い時間をかけてのカウンセリングがありました。
医師から伝えられたのは『持続性気分障害』という言葉でした。
話を聞くカウンセリングだけでわかるものなのかな、とも思いましたが、薬が処方された時に「これさえ飲めば全部良くなるんだ!」と藁にも縋る思いでそのたくさんの薬を受け取った事を覚えています。
薬を飲んで効果があるのか無いのか。
正直、私にはわかりませんでした。
でも、薬を飲んでいるという安心感を得ていた様には思います。
そして、その薬と共に再び社会に戻ろうと試みるわけですが。
当時の私は、薬と上手に付き合う事が出来なかったのです。